MRP(資材所用計画)の考え方は個別受注生産の形態で必要か?

投稿される相談内容で多いのが、どの生産管理システムがよいのかという内容と同時に
MRP(Mterial Requirement Plannining 資材所用計画)を持ったシステムがよいのかとよく聞かれます。
これはお客様ごとに内容が違うので、お話を聞いてみないと判断できませんとお答えしています。

MRPをご存じない方にまず簡単に説明しますと、下記の順になります。

  1. 製品に対して階層をもつ子部品を展開して総所要量(展開した結果の必要な数量)を求めます。
  2. 総所要量から在庫数(計画在庫はプラス)を引いて正味所要量(在庫を引いたあとの必要な数量)を求めます。
  3. 製作リードタイムを加味して納入日をセットします。
  4. 発注ロットをまとめます。
もう少し理解を深めたい方は 
「図解 生産管理 基本の基本から SCM,ERPまで」(日本実業出版社)という田中一成先生が書かれた本を購入して読んで見てください。
初心者の方には非常にわかりやすく書かれています。

簡単な見極め方法としては、
  1. 貴社の工場は製品在庫を持っているのか?
  2. 貴社の工場は部品在庫、又はユニット在庫を持っているか?
  3. 経営者が今後見込生産にしていきたいのか、受注生産にしていきたいのか、混合か?
  4. 個別原価管理か総合原価管理か?
[1]の製品在庫をもつ工場は基本的には見込生産なのでMRPが必要です。
ただし製品在庫を持つ機種が全体比率の何%かによって検討をする必要があります。
[2]の部品在庫、ユニット在庫もつ工場に関してはMRPが必要なときと必要でないときがあります。これも全体比率が加味されます。
[3]経営者がどちらを目指しているか?これは一番重要なポイントです。これによりシステムは180度違ってきます。(製品在庫を持ち売り逃しを防ぐのか、製品在庫を持たないのか)
[4]原価管理をどちらの手法で現在行っているかにより、MRPの必要性がわかります。
個別原価計算を行っている工場はほとんどMRPを必要としていないところが当然ながら多いようです。

最近の生産管理、ERPパッケージは、MRPも製番管理もでき、個別原価計算もできるなど
魔法の玉手箱のような表現が多く、購入してから誤りに気が付くお客様が多く私どもに再生依頼がきます。
上記のように判断基準がいろいろあり、自社では判断できないときは是非投稿してください。
わかる範囲で無料にてメールにて返信させて頂きます。

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